B&T AG 正式ライセンス APC9 SD Compact CO2ガスブローバック 桁違いの動作性能を堪能せよ!
B&T AG(Brügger & Thomet AG:ブリュッガー&トーメ)公式のエアソフトブランド B&T AIR より、APC9ガスブロシリーズの全ラインナップがようやく出揃いましたね!
APCはモジュラーライフルとなるため、レシーバーとボルトキャリアの組み替えで複数の弾薬に対応するほか、様々なパーツの組み合わせでライフルにもサブマシンガンにもなります。ARCHWICKがエアソフトガンとしてピックアップしたのは9mm弾を使用するAPC9で、パーツ構成の異なる4モデルとそれぞれリキッドチャージ式とCO2式の2タイプ、計8機種が揃い踏みしました。
4モデルの中でも筆者が特にオススメしたいのはAPC9 SD Compact!! アウターバレルを全て覆うオーバーバレルサプレッサーと、短すぎず構えやすい拡張性の高いM-LOKハンドガードの組み合わせは正に現代のサブマシンガンといった佇まい。かつて、MP5の対抗馬として生まれたTMPをSteyr(ステアー)から買い取りMP9として昇華させたB&Tですが、今度はSIG MPXの対抗馬にもなりそうなモジュールサブマシンガンを作り上げ存在感を増しています。
APC9ガスブロシリーズのリキッドチャージ式モデルでは、一部フルオートでの動作不良が見られる個体がありました。こちらはボルトキャリア周りのグリスをオイルに置換したり、フルオートシアやホップパッキンの見直しで改善できますが、CO2モデルではそういった事象もなく激しいブローバックとリコイルを魅せてくれます。
この記事ではAPC9 SD Compactに焦点を当てて、構成パーツの詳細やCO2モデルの動作面についてご紹介したいと思います。
B&T AIR : ARCHWICKのコダワリ全開は相変わらず!パーツ剛性も◎
APC9ガスブロシリーズについては以前、APC9K PROの記事も投稿させて頂きました。しかしSD Compactはパーツ構成の違いだけで大分印象も変わっていますし、新たに見るべきポイントも多いので改めて詳しく見ていきましょう。
ハンドガードとオーバーバレルサプレッサー
SD Compactの一番の特徴は何といってもオーバーバレルサプレッサーでしょう!MP5のモデル名でも使われる「SD」とは「Schalldämpfer」の略で、ドイツ語でサイレンサーを意味します。MP5SDの知名度が高いためドイツ語圏以外でもSDというモデル名を使用する例が多いですね。
そして、わざわざモデル名にSDと入れてしまう位なので最初からサプレッサーの使用前提で設計されており、ハンドガードもサプを内包できるよう太めに作られています。SD Compactも太いハンドガードが印象的です。太めではあるもののトップレール以外はM-LOKが配置されるため、無駄な突起もなくサポートハンドで握りやすい設計となっています。
また、SD Compactのサプレッサーはバレルの根本まで覆うので、ハンドガードに隠れているとはいえ存在感があります。ボルトアクションのSPR300 PROも同じくオーバーバレルサプレッサーを装着していますが、B&Tの設計思想が伺える仕様です。
オーバーバレルと言うくらいなので当然内部には別途バレルが存在します。SD Compactガスブロではアウターバレルがサプレッサーの半分くらいまであり、別途ハイダーアダプターを用意すれば社外品のサプレッサーを装着することも可能。ですが、折角のコンパクト設計なので純正を付けておくのが一番理想的なスタイルで運用できそうですね。
ちなみにサプレッサーはマズルのネジではなくバレルナットにあるネジで固定されます。正ネジなので左回しで簡単に外せますが、内部は3Dプリンター製のスペーサーが内包されており減音効果はなさそう。しかもキャップが接着されているのかえらい固く、ヒートガンで温めるなどしてからスナップリングプライヤー等を使って緩める必要がありそうです。スペーサーもキャップに接着されている可能性がありますので、スポンジ等に入れ替えるのは中々苦労しそう。ここは少々マイナスポイントですね。
フォールディング・ストック
APC9ガスブロシリーズ全4モデルのうち、SD CompactとAPC9 PROはスケルトンタイプのフォールディングストックが装着されます。ARCHWICKの工作精度は非常に高く、ワイヤーストック(テレスコピックストック)もほぼガタがなく素晴らしいのですが、やはりこのスケルトンストックは痺れますね!デザインは若干異なりますがHK UMPにも使われるストックで、使用時は固定となりますがサイズ感も丁度良い感じ。SWATなどLE系の装備にマッチします。
ストックベースの内側、レシーバーに引っ掛かる部分はしっかりとアルミで作られていますが、ベースのアウター以降ストックまで強化ポリマー製となるため非常に軽く、かといってガタは一切なく非常に良い作りです。プロオペレーター感のある外見も良いのですが、機能面でも抜かりはないのは流石ARCHWICK。折りたたんで持ち運べるのでサバゲーでも荷物になりづらく、使い勝手が良いですね~。
刻印
刻印についても極力エアソフト感が出ない様、ほぼ実銃通りの刻印を再現しているのはB&T AIRならではのこだわり。初期モデルのUSシリアルナンバーにあった「A」表記がなくなり、よりリアルに。ただし、残念ながらユニークナンバーにはなっておりません。でも、モデルによって違う数字にはなっている様子。
エアソフトガン製品としてのシリアルはこれまで同様、マグウェルとトリガーガードの間の窪みにこっそり表記され、日本仕様にはJPと入ります。CO2でも安全な初速が実現されている証。
B&T AIR の本命はCO2…なのか?!
さて、ここからはCO2バージョンについて触れていきます。B&T AIRでは海外と日本で異なるパワーソースや初速規制に合わせ、日本仕様の形で入荷されております。CO2モデルはリキッドチャージよりも初速側へのガス流量を制限しており、初速は0.25g BB弾使用時 70m/s台後半で安定しています。リコイルは当然大きくなるので強めのリコイルスプリングになっており、ブローバックに合わせガツンガツンと強く鋭いリコイルにテンションが上がります。
リコイルの強さにビビりますが、初速は0.2g BB弾でも90m/s以下でインドアでも使用可能なレベル。ただし、デフォルトで流速状態となっているので弾道はビシッとした低進弾道を見せます。
オルガ店内のショートレンジでも恐るべき集弾性でしたので、ロングレンジでの弾道についても期待が持てます!初速も2m/s以内にまとまっているので上下の散りも少ないでしょう。本当は試射の様子について動画でお見せしたいところですが…時間のある時に改めて動画を撮りページ更新したいと思います。(長い目でお待ちください…)
CO2マガジンはカートリッジ全体を覆うタイプで見た目を害しません。背面には万が一の際にガスを逃がす排気穴があるので安心。カートリッジをセットする際は、この穴を塞がない様に持った方が良いでしょう。燃費はCO2カートリッジ1本で大体3マグ程度。
カートリッジの初回セット時、個体により軽いガス漏れが起きる場合がありますが、何発か空撃ちをすることでガス漏れ音が止まります。是非お試しください。
どちらの仕様も試射した所感としては、弾道も撃ち応えもやはりCO2が一枚上手でしょうか。ただ設計の良さと言うポテンシャルは同じなので、リキッドチャージ式をコツコツいじりながら初速とブローバックのバランスを整えていけば、運用のしやすさという点でリキッドチャージ式も捨てがたいところ。(リキッドチャージ式は0.25g BB弾 20℃ で 60m/s届かないくらい。)
正直なところ、インドアやCQB前提であればリキッドチャージの方に分があるかなとも。使用するシチュエーションを想定して仕様を選んでいただければと思います。
尚、CO2モデルは本体側でパワー調整を入れているので残念ながらリキッドチャージとマガジンは共用できません。ご注意ください。CO2マガジンはリキッドチャージモデルで使えないよう工夫が施されています。
リキッドチャージ式マガジンをCO2モデルに差すことは可能ですが、パワー不足でうまく動作しないか、初速がえらい低くなります。
B&T AIR APC9 ガスブロシリーズはORGA AIRSOFTで販売中!
キレのある動作と流速による低進弾道が魅力のB&T AIR APC9 SD Compact CO2ガスブロについてご紹介してきましたが、如何でしたでしょうか?フルオートでもBB弾の軌跡が白い糸の様に見える集弾性はなかなかのものです。4つの外観と2つのパワーソースからお選びいただける B&T AIR APC9 ガスブロシリーズ。コンパクトなガスブロ・サブマシンガンをお求めなら、いま一番オススメとなるモデルです!
2025年3月現在、一部在庫切れとなっているモデルもありますので気になっている方はお早めにお買い求めください。